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三田図書館・情報学会誌論文(論文ID LIS012011)

著者
Staveley, Ronald
和文タイトル
Impressions of Library and Information Studies in Japan: 1973.(日本の図書館・情報学教育に関する印象:昭和48年)
英文タイトル
Impressions of Library and Information Studies in Japan: 1973
掲載号・頁
No.12, p.11-14
発行日
1974-10-31
和文抄録

公共図書館について,英国人の目にうつったことは,収集,主題専門化,保存,相互貸借,情報サービスの諸問題に対する協力的関心が低いことである。たとえば,主題専門化などの方向でサービスを充実すれば,これを契機として図書館の社会的重要性へのより大きな理解が生まれるであろう。

大学図書館でも,そのサービスへの期待は低かった。従って学者は個人的に情報を求めざるを得ないとしている。これは,総合的にみればむしろ高価なことになるであろう。

専門図書館の職員と利用者は図書館サービスの最もきびしい批判者となることが多い。国立の科学技術および医学図書館の不在に関する不満は,英国人の大英博物館図書館に対するそれと類似している。

これに対処するため,医学方面では日本医学図書館協会を組織して,効果的な相互貸借システムを作り上げ,さらに文献情報サービスに及んでいる。薬学と農学を除いてはこのような組織がなく,専ら個人の努力に依存している。専門図書館協議会は英国の Aslib のような有効性を示していない。

日本図書館協会も,英国図書館協会に比して,プロフェッションのリーダーシップに欠け,財政的にも弱い。これはプロフェッションの構造的欠陥に起因して,徹底的かつ包括的な討議が生まれにくいためである。

プロフェッションの将来について検討するために政府が諮問委員会を設置する必要があろう。とくに現状では不十分な講座が多すぎ,またその修了者の図書館への就職率も低い。司書資格は就職前に,しかも安易に与えられ,また教育の最低基準も明示されていない。この望ましくない方向を是正し,さらに大学院課程を含めて図書館・情報学教育を充実することを期待したい。  (Y. K.)

種別
原著論文