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三田図書館・情報学会誌論文(論文ID LIS014029)

著者
Gardner, Kenneth B.
和文タイトル
Japanese Collection in British Libraries.(英国の図書館における日本コレクション)
英文タイトル
Japanese Collections in British Libraries
掲載号・頁
No.14, p.29-35
発行日
1977-03-15
和文抄録

日本コレクションの小さなものは18世紀以来,英国の少数の図書館に存在していた。例えばケンペルが元祿時代に日本で収集したものは,1753年大英博物館の創立以来所蔵され,今日でも見ることができる。しかし,これとシーボルト文庫を例外として,本格的な収集は明治維新以後のことであり,英国の外交官アーネスト・サトウの文庫を大英博物館が購入したのがその始まりである。しかし,その後の収集は主として政府刊行物であった。1905年 Sir Robert Douglas 東洋部長の退職以来,1955年までは日本語の読める人がなく,収集も殆どなかったといってよい。

1955年になってこのギャップを埋めるために,大正・昭和期刊本の組織的選択・収集が大英博物館によって着手されて今日に至っている。今日では約40,000冊に達し,その江戸期以前の蔵書は他に匹敵するものがない。

大英図書館(大英博物館の改組による)のほかに,英国内で有力な日本コレクションは次のとおりである。(i)オクスフォード大学・ボドレイ図書館東洋部はキリシタン版と,三浦安針文庫を誇るが,組織的収集は1950年代に始まり,文化史ど日本学を特色とする。(ii)オクスフォード大学東洋研究所図書館は1961年の設立で,東洋学部の教育用として発足した。今日では研究図書館の性格を強くし,言語,文学を中心とする。また,東洋美術図書館の運営をも引受けるようになった。(iii)オクスフォード大学聖アントニー・カレッジ東洋センター図書館は1954年創立で,まだ小さいが,現代史を特色としている。(iv)ケンブリッジ大学図書館は人文科学,とくに20世紀以前を中心として,国内最大のコレクションをもっている。その発端はもう一人の英国外交官 W. G. Aston の蔵書の購入である(1911)。収集方針は古文書,原文資料を中心とし,これに必要な参考図書もすべて集める。(v)ロンドン大学東洋アフリカ学院も大きな日本コレクションをもつ。創立は1917年であったが,活動は1950年以降であり,文学,宗教,歴史,経済を主とする。(vi)最後にシェフィールド大学は日本の北九州に似た産業地帯にあり,その日本学研究センター(1963)の図書館は社会科学,歴史,現代史および産業・経済の研究に奉仕している。

以上の各図書館における目録法,選書と分類法はそれぞれ独自であって統一がない。購入は日本の(古)書店の協力によるところが大きい。1960年代の中ごろほぼ同数の図書館員と研究者より成る日本図書館グループが結成され,諸種の共通問題が討議されできたが,その一つの業績としての日本雑誌の総合チェックリストは,第3版が本年末刊行の予定である。収集協定も実行され,重要な本は上記4大学がその収集特色に応じて少くとも1冊は引受けることとしている。この費用は「国際交流基金」の日本研究助成金によって支払われている。

種別
原著論文